吉田急行電鐵を訪ねて

元祖青信号特派員氏が「羽村さんが遺したアルバムから」シリーズで、羽村宏先輩が撮影された貴重な写真の数かずを紹介して頂いており、毎回驚きをもって拝見しています。同シリーズの第5回目で宮崎繁幹様からのコメントなどに羽村氏の作られたレイアウト「吉田急行電鐵」がTMSに掲載されたとの記述が出てきます。宮崎様と同様に、私も本棚を探しましたところ、幸運にも見つけることができました。TMS32号ではなく、再録された昭和38年4月10日発行の「レイアウト・ブック」の方です。発行から50年以上を経ており、著作権問題にも抵触しませんので、そのままスキャンして デジ青読者にご披露することにしました。

レイアウトブックP.34

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駿河・甲州・信濃 早回り旅

学生時代から約半世紀、結構全国を旅したつもりでも 実は通過しただけの県も多く、最近ではなるべくそのようなスキマを埋める旅に出かけるようにしています。長野県塩尻市付近で10月に行われる某行事へのお誘いを受け、若干紅葉には早いけれども喜んで参加することにしました。広島から塩尻へ行くなら名古屋で中央本線に乗り換えて、というのが一般的なルートなのですが、上記のようにスキマを埋める工夫もしなければなりません。そこであえて遠回りのルートを設定し、鉄目的ではなく 観光が主目的の旅に出ることにしました。まずは静岡へ向かいます。私はジパング族ですから「のぞみ」には乗れません。早起きを苦とせず、なるべく乗り換えなしで、急ぐ必要のない田舎のジパング族向けに、広島始発6:13の東京行き「ひかり460号」という列車が設定されています。三原発は6:41で、京都までは各停、そのあとは名古屋、浜松、静岡と停まる「区間急行」のようなダイヤです。8分とか10数分とか停車する駅もあり、長時間座ったままではエコノミー症候群になるので、ホームへ出てストレッチやウオーキングができるようにと、心配りあるダイヤとなっています。このダイヤの列車は日に1本しかなく、なぜか下りには岡山止まりしかなく、広島行きは設定されていません。

4時間ほど乗って疲れてきた頃の10:32に静岡着です。ここから先はレンタカーです。まずは三保へ向かいました。

清水運送DB152 平成30年10月16日 旧三保駅跡

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復旧早まる中国路の鉄路

7月の西日本豪雨災害から4ケ月が過ぎました。私がおります広島県三原市には、まだ避難所生活を強いられている方が大勢おられます。比較的軽微な被害で済んだ、床上浸水の被害を受けられた知人(85才)が 「昨日ノーやっと新しい畳が入ってノー、久しぶりに畳の上でゆっくり寝られたワイヤー」とうれしそうに話されていました。山陽本線も全通し、山陰迂回貨物は終わりましたが、支線にはまだ不通区間が残っています。JR西の当初見込みより早く復旧する区間もあるようです。

平成30年10月17日 中国新聞朝刊

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広島駅に残る客車への給水設備

最近広島駅は橋上化され、南北の通り抜けが容易になり 大きな商業施設(EKIE)もできて様変わりしました。一方地上ホームに降りると昔のものが姿をとどめています。広島へ行った帰りには5番ホームで上り電車を待つのですが、5番ホームと6番ホームの間には長距離客車列車が走っていた頃の給水栓がいくつも残っているのが目にとまります。

今も残る給水栓  (平成29年9月23日撮影)

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今度こそ全通

7月の西日本豪雨によって不通だった広島県内の山陽本線が9月30日に開通すると同時に、今度は9月末の台風24号によって柳井・下松間がまた不通となっていました。10月13日、山口県内のその不通箇所も復旧し、99日ぶりにJR貨物のコンテナ列車がようやく通り抜けられるようになりました。結局山陰迂回貨物は10月中旬まで走ったのでしょうか。

平成30年10月14日 中国新聞朝刊

10月14日 また広電のカープ花電車を撮ろうと、朝からいそいそと出かけました。

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広電の単車 2軍落ち

平成30年10月11日 中国新聞朝刊

春と秋には大正電車101号が、寒い時期にはハノーバー電車238号が週末の一般運用に入って横川・江波間を走っていましたが、空調設備、IC乗車券対応の問題で一般運用には不向きとされて2軍落ちし、イベント時のみに出場することになったそうです。IC乗車券を使わず、冷暖房がなくても文句の一つも言わないクローバー会が貸切運行をお願いすれば、請けてもらえるのでしょうか。

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山陽本線全通と広電カープ電車

カープがセ・リーグ3連覇を達成し、今年も広電の花電車が走ることになりました。豪雨災害から86日ぶりとなる9月30日に山陽本線が全通し、新幹線や代行バスに頼らずに三原から広島に電車で行けるようになりました。大きな被害を受けた区間の復旧具合を確かめるのも兼ねて、10月2日 広電カープ電車を撮りに行くことにしました。

山陽本線は全通したとは言え、災害前のダイヤに戻っているのではなく、特別ダイヤで運行されています。各駅で配られている時刻表を確かめておく必要があります。私は本郷駅から広島に向かうことにしました。本郷発8:49の7335Mは運良くJRのカープ電車でした。

岡山発岩国行き7335Mはカープラッピング電車でした。L-05編成 先頭はクハ115-2007

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垣間見た西オーストラリアの鉄道(下)

州都パースはイギリス統治時代の古い建造物が点在する近代的な都市で、パース中央駅から放射状に5方向に近郊電車が走っています。自由時間の少ないツアーだったので駆け足で体験乗車しました。

Transperthと呼ばれる鉄道網  鉄道だけではなくバスとフェリーがシステム化されている

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たつの市で開催される鉄道展について

過日、広島県立歴史博物館でこんなチラシを見つけました。兵庫県たつの市で10月20日から約1ケ月開催される展示会のチラシです。岡山近辺の鉄道遺産に詳しい小西伸彦氏による現地見学会や播電の展示など大変興味深い内容だと思います。ご参考まで。なお2会場の休館日が異なっていますのでご注意を。

おもて面

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全線開通した山陽本線

7月の豪雨災害で寸断されたJR山陽本線は、当初見通しより繰り上がり、9月30日に全線復旧、開通しました。被災以来86日ぶりとなります。その間復旧に向けて日夜尽力されたJR関係者はもちろん、代行輸送など陰で支えてこられた関係者の皆様に敬意を表したいと思います。

H30-9-29 中国新聞朝刊

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垣間見た西オーストラリアの鉄道(中)

この地図は鉄鉱石および石炭輸送の貨物鉄道を示します。赤が鉄鉱石、緑が石炭です。石炭輸送は主に東部、鉄鉱石が北部、西部となっています。

オーストラリア地図(その2) この地図で見るとPerthからPerenjoriまで近そうに見えますが直線距離で300Kmはあります。

古いホッパー車が保存されていたのがPerenjori駅前ですが、ここから港町のGeraldton(ジェラルトン)まで現在も鉄鉱石輸送が行われていました。ただそのPerenjori駅は鉱山駅という雰囲気ではありません。

Perenjori駅  長い待避線がある単なる交換駅

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垣間見た西オーストラリアの鉄道(上)

先日レポートしました銚子電鉄訪問のあと、成田を飛び立って向かった先は西オーストラリアのパースです。パースを起点とした、鉄分とは縁の無い「花を見て回るツアー」につきあいました。オーストラリアへの観光客は東のシドニーやメルボルンを目指すのが通例のようで、西オーストラリアへの訪問者は少ないようです。オーストラリアは7つの州から成り立っていますが、西オーストラリア州は全土の1/3を占める広大な州で、その州都がパースです。西オーストラリア州の人口は250万人ですが、その90%はパースを中心とした南西部に集中していて、州の大半は広大な無人地帯です。

オーストラリア地図(その1)

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銚子電鉄 駆け足乗り鉄旅

成田から久しぶりの海外旅行に旅立つ前に、初めて銚子電鉄を訪ねました。現役時代から半世紀、どうも千葉県とは縁がなく、未だに房総半島は未踏のままです。銚子電鉄も同様で、ようやく訪問がかないました。とは言え時間的制約もあり駆け足の乗り鉄旅ではありましたが、しっかり楽しむことができました。

JRで銚子駅に着いて、銚子電鉄に乗り換えるには一旦改札を出て、銚子電鉄の切符を買ってから再入場するものと思っていましたが、さにあらず。そのまま跨線橋を渡って銚子電鉄乗り場に行くようです。そして切符売り場があるのだろうと思いましたが、これもハズレ。いきなり無札で電車に乗り込むのです。

平成30年9月7日 JRのホームの先にある銚子電鉄乗り場へ。

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徐々に復旧が進む中国路の鉄路(その6)

西日本豪雨災害から2ケ月、関空線の不通に続いて、今度は北海道で大きな被害が出ているようで、災害列島であることを再認識させられます。当地中国地方は徐々に復旧が進んではいますが、避難所生活を余儀なくされている方もまだまだ多く、心が痛みます。鉄路の近況をお知らせします。

平成30年9月5日 中国新聞朝刊

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山陰迂回貨物 28日から 他

平成30年8月25日 中国新聞朝刊

焼石に水の輸送量ではありますが、災害列島であることを再認識して、硬直した輸送網に柔軟性を持たせる意味で 全国的にバックアップ体制を考えておくきっかけになればと思います。 続きを読む

徐々に復旧が進む中国路の鉄路(4)

山陽本線は先日海田市・瀬野間が開通しました。一方三原・瀬野間は不通でしたが、今日21日 白市・八本松間の区間運転が始まりました。これで不通区間は三原・白市間と瀬野・八本松間となりました。今日は区間運転の様子を見に行ってきました。

H30-8-21 西条駅のポスターより

今日から開通した八本松・白市間各駅の利用者が広島に行こうとすると、バスで新幹線東広島駅に向かい、新幹線利用で行くしかない状況です。三原へは白市から代行バスを利用できます。 続きを読む